OBORO LOCAL PROJECT

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水源の街 小菅村


小菅村とは

山深い多摩川の源流にある小菅村は、人口700人であり土地の95%は森林です。縮小する人口の一方で、美しい景観と森の恵み、清らかな水がこの村の特色です。実は東京に住む多くの人たちはこの小菅村からでる湧水を多摩川等で普段から目にしており、我々の日常生活と非常に関係の深い村なのです。

ヤマメの養殖場

この豊かな水源により、日本食の礎といえるわさびや、川魚のヤマメを特産品とするなど、小菅村は水源とともに生きる町とも言えます。360度山に囲まれる小菅村は東京から約2時間ということもあり、マイクロツーリズムやコロナによる郊外移転等を背景に近年では地域創生の取り組みも盛んです。具体的にはNipponiaのような分散型ホテルがあり、町全体をホテルに見立てるなど様々な取り組みが注目を集めています。今回はそんな水源地ならではの地形とそこから生まれる食をテーマに小菅村の魅力を見ていきます。

水源とわさび

Photo by DAIWA HP

小菅村の豊かな自然の中で、わさびは古くから自生しており、江戸時代中期頃から栽培が始まったと言われます。渓谷から湧き出る清流で自然のままに育ったわさびは、風味豊かでしっかりとした辛味があり、上質であると好評です。ワサビ栽培で大切なのは、水の温度(8~9℃)と水量であり、小菅村の源流はどちらにおいても最適とのことです。地形に恵まれた小菅村は、山梨県内でもトップクラスのワサビ栽培量を誇っています。奥多摩の老舗わさび店でわさびを購入した際に聞いた話によると、ワサビが最も辛くなるのは冬場だそうです。夏場などはわさびが日光を受け、葉も含め大きく育つのに対し、冬は限られた日光が根の部分のみにとどまり、小ぶりな根は辛みのある味になります。加えて、小菅村は地沢式と呼ばれる、沢幅が狭く水量の少ない場所でも展開可能な栽培方式をとっています。沢の水をそのまま引きこむことができる小菅村ならではの栽培方式ですが、大雨時等には沢の石垣が壊れるなど、美味しいわさびを栽培するには、自然の恵みと脅威を併せ持っていることがわかります。

水源と養魚業

 

自然豊かな小菅村はヤマメの養殖地としても有名です。小菅村は民間として日本で初めてヤマメの人工孵化に成功しています。ヤマメの人工孵化から、養魚業がさかんになった理由はは二つあります。それは水がきれいなことと、水量が適量だということです。川の水が多すぎると魚が流される危険があり、水源地ならではの水量が適しているとのことです。わさび同様水のきれいさと適度な水量がヤマメ養殖にも活きているのです。訪れた小菅養魚場は川沿いに位置しており、かつ地形に抗うことなく等高線状に形作ることで、村の風景と一体となったなんとも美しい建築となっています。その土地がもつ地形的特徴とともにそれぞれの産業や暮らしがある素晴らしい村と思います。

 

地理とその土地の文化

 

食文化の背景にはその土地の地理が大きく影響してきます。地理はその土地の工芸品や建築、町にも影響し、我々を取り巻くモノ/コトの源泉であるとも言えます。今ではどこでもモノ/コトを享受できる時代ではありますが、日本に古来からある美的感性や住まい方を学ぶことで自分たちの生活を豊かにするヒントがあると考えます。我々は日本古来の美的感性に繋がるまち/建築/工芸/食の発信に加え、手工芸品を中心としたセレクトショップを展開しています。気になる方はセレクトショップの方も是非ご確認ください。

 

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