OBORO LOCAL PROJECT

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「色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす」


5月頭、東京からも程近い埼玉県狭山へ向かいました。狭山では一番茶の収穫は主に4月から5月にかけて行われます。
静岡茶、宇治茶と並んで日本三代銘茶の1つと名高い「狭山茶」とは?

「恵まれた気候条件や土壌によって清らかな味に」

狭山茶は、日本の茶の栽培地域のひとつである埼玉県狭山市周辺で栽培されています。周辺地域は武蔵野台地と呼ばれ、大昔に川によって流されて来た砂や石ころの層の上に、富士山などから飛んで来た火山灰が厚く降り積もってできたものです。そして主な茶産地の中でも北に位置しており、寒さや風を耐え抜いた越冬茶葉が自然と厚くなります。ミネラルが豊富な火山灰や火山岩の堆積物で構成された赤土(関東ローム層)の土壌、そして富士山の伏流水が湧き出る地域であることも相まって、狭山茶独特の濃厚な味わいや爽やかな香りを作り出しています。



写真:霜が落ちないように工夫をしています

「先人の努力が紡ぐ歴史」

狭山茶の歴史は古く、鎌倉時代に中国からお茶の種を持ち帰った慈覚大師 円仁が、その種をお寺の境内や畑に植えたことがはじまりとされています。室町時代には武藏河越(現在の川越)の地や、狭山丘陵の有力寺院を中心に積極的に日本茶の栽培が行われていましたが、戦国時代に一度狭山丘陵でのお茶の栽培は衰退してしまいます。その後江戸時代後期の1800年ごろ、現在の狭山茶に繋がるお茶づくりを再興し江戸の街に出荷されて高く評価され、さらに横浜港が開けるといち早く海外にも輸出されました。こうして鎌倉時代に端を発する狭山茶は、江戸時代の先人たちの努力すえ、現代までその伝統と味を受け継ぎ、お茶を愛する多くの人々に今なお楽しまれているのです。

「新茶とは?〜茶園」

「夏も近づく八十八夜 野にも山にも若葉が茂る
あれに見えるは 茶摘じゃないか あかねだすきにすげの笠」
「茶摘」という歌に描かれた八十八夜は、日本の伝統的な暦における特別な日であり、季節の移り変わりを把握するために作られた雑節です。日本の気候や文化に基づいて作られたものであり、農作業の目安として重要な存在でもあります。八十八夜に摘まれる新芽は不老長寿の象徴として重宝され、そのお茶を飲むことで災いから守られると信じられています。新芽やまだ成長途中の香り高く味わいも繊細で爽やかな茶葉でもある為、多くのお茶愛好家が新茶の季節を心待ちにしています。


写真:月の満ち欠けカレンダー

私たちは江戸時代末期に創業した約250年の歴史を持つ伝統ある茶農家「大西園」を訪れました。地元の気候や風土に合わせた栽培方法や製茶技術を磨きながら、伝統的な製茶の技術と現代の品質管理を組み合わせています。自社の茶畑で栽培された茶葉や製品を直接販売している店舗やオンラインショップ、是非訪れてみてくださいね。

 

 

参考文献
大西園 http://oonishien.jp/

 

OBORO LOCAL PROJECT

日本に根付いた文化、精神、技。現代を生きるヒントとなる禅の教え。日出る神秘の国で今も受け継がれるモノ・コトとは?

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